LED栽培の豆知識
近年、LEDの光で栽培する植物が増えています。LEDがなぜ植物育成に効果がありますか。詳しく解説しましょう。
植物は太陽光を浴びることにより光合成をします。光合成が行われるのは葉の裏側にある「葉緑体」と呼ばれる部分であり、根や葉から水と二酸化炭素を吸収し、光合成することで酸素が発生します。
植物が光合成をするために必要なのは、太陽光の中でもごく一部になります。太陽の光には「可視光線」と「不可視光線」があり、そのうち必要なのは可視光線の青色と赤色の光だけです。赤色光は光合成を促す効果があり、青色光は実や葉を大きく形成する効果があります。赤色光と青色光の中でも赤は波長660ナノメートル前後、青は波長450ナノメートル前後が植物のクロロフィル(葉緑素)吸収のピークにほぼ一致していることが確認されています。
LED栽培の魅力とメリット
LED栽培は屋内での栽培が可能になるため、収穫量も安定します。そのため、野菜の値段が上がることもないのです。また、屋内で栽培できるLED栽培では1年中さまざまな野菜を生産することができるため、旬に関係なく野菜を作り出すことができます。
・植物の成長スピードを高めることができる
LED栽培は露地栽培と比較して2倍以上の早さで生長しますので、3週間ほどの栽培期間で収穫が可能です
・野菜の栄養価を高めることができる
LED栽培は害虫が近寄らず防虫効果があり、農薬を使用しなくてよいので安全な野菜が栽培できます。また、LEDは熱線を出さないので葉焼けをせず、野菜特有の食感や鮮やかな色合いは損なわずに育ちます。
LEDで植物を栽培する方法は水耕栽培と土植え栽培があります。
水耕栽培について
水耕栽培とは土の代わりに栄養素を含むミネラル水のみを用いて農作物を栽培する方法です。
雑菌の発生や有害成分がなく露地栽培と比較して連作障害も無く、生長が早くて栄養価が高い野菜ができます。
水中の酸素が不足しないように水耕栽培装置内で、水と空気をポンプで混ぜて常時循環させて育てます。
種を蒔いた後は、水の補給と液肥の追加をするだけで、土よりも育ちやすく手間もかけず収穫ができます。
農薬を使わないので悪臭や有害物質の発生も無いので、室内でも安心して栽培することができます。
「人工的な光で育てた野菜は栄養価が低い」というイメージを持っている人は多いものですが。太陽光とLEDの光は植物の育成に対して同等の効果を与え、天候に左右されないLEDの方がよりおいしくて栄養価の高い野菜を育てることができるのです。