磁石の選定にあたりもっとも重要なのが、磁石材質です。
大まかには以下のような基準があります。
ネオジム磁石:もっとも強力な磁石
サマコバ磁石:耐熱性が高く強力な磁石
フェライト磁石:安価で使い易い磁石
ラバー磁石:柔軟性があり、手元で加工しやすい磁石
初めて磁石をご使用になる場合、使用環境が常温常湿であれば、ネオジム磁石、もしくはフェライト磁石からの選定をオススメ致します。
一般仕様用途ですと、使用方法がセンサー等の吸着目的外の場合には「表面磁束密度」、使用方法がメモ留め等の吸着目的の場合には「吸着力」を参考にして頂ければよろしいかと思います。
選定の際は吸着力の弱い物をお試し頂き、その後強い磁石をお試し頂くのが安全です。
それぞれに長所、短所がございますので、まずは各材質の特性比較を御覧ください。
【各材質の特性比較一覧】
磁石材質 | 価格帯 | 磁力 | 磁力温度特性 | 使用環境 | 耐食性 | 機械強度 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
【安価順】 | 表面磁束密度 | 吸着力 | 耐熱性 | 耐冷性 | 屋外使用 | 水中使用 | |||
ネオジム |
○
|
◎
|
◎
|
△
|
◎
|
×
|
×
|
△
|
○
|
サマコバ |
×
|
◎
|
◎
|
◎
|
◎
|
△
|
△
|
○
|
×
|
フェライト |
◎
|
△
|
△
|
○
|
△
|
◎
|
◎
|
◎
|
△
|
アルニコ |
△
|
△
|
△
|
○
|
◎
|
△
|
△
|
○
|
◎
|
ネオジム ラバー |
△
|
○
|
○
|
×
|
◎
|
×
|
×
|
△
|
- |
フェライト ラバー |
○
|
△
|
△
|
×
|
△
|
◎
|
◎
|
◎
|
- |
◎・・・・大変優れている | ○・・・・優れている |
この比較表は、同寸法・同着磁方向での比較となります。
(ラバー磁石は除く) |
△・・・・やや劣る | ×・・・・劣る |
材質記号 Grade | 残留磁束密度 Br | 保磁力 Hcb | 保磁力 Hcj | 最大エネルギー積 (BH)max | 耐熱温度 Working TEMP. | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
kG | mT | kOe | kA/m | kOe | kA/m | MGOe | kJ/m3 | ||
N35 | 11.7-12.2 | 1170-1220 | ≧10.9 | ≧868 | ≧12 | ≧955 | 33-36 | 263-287 | ≦90℃ |
N38 | 12.2-12.6 | 1220-1260 | ≧11.0 | ≧876 | ≧12 | ≧955 | 36-39 | 287-310 | ≦90℃ |
N40 | 12.5-12.9 | 1250-1290 | ≧11.0 | ≧876 | ≧12 | ≧955 | 38-41 | 302-326 | ≦85℃ |
N42 | 12.8-13.3 | 1280-1330 | ≧11.0 | ≧876 | ≧12 | ≧955 | 40-43 | 318-342 | ≦85℃ |
N45 | 13.2-13.8 | 1320-1380 | ≧11.0 | ≧876 | ≧12 | ≧955 | 43-46 | 342-366 | ≦85℃ |
N48 | 13.6-14.2 | 1360-1420 | ≧11.0 | ≧876 | ≧12 | ≧955 | 45-49 | 358-390 | ≦80℃ |
N50 | 14.0-14.5 | 1400-1450 | ≧10.0 | ≧796 | ≧11 | ≧876 | 48-51 | 382-406 | ≦80℃ |
N52 | 14.3-14.8 | 1430-1480 | ≧10.0 | ≧796 | ≧11 | ≧876 | 49.5-53 | 394-422 | ≦75℃ |
(1)最も強力な磁石
※わずか直径1cmの着磁したネオジム磁石同士を吸着させただけで、普通の人の力では真っすぐには引き離せなくなるくらい強力です。また、同じ磁石で冷蔵庫などの鉄製金属壁にA4の用紙を20枚以上はさむことができます。
※日本で生まれ、現在、世の中にある磁石で最も強力な磁石です。
※強力な磁力のため、怪我や周辺物への磁力の影響など、取り扱いに気を付ける必要があります。
(2)金属磁石で銀色のニッケルめっき光沢
※希土類(レアアース)金属の一種であるネオジムと鉄、ホウ素(ボロン)が主成分の金属磁石です。
※錆びやすい性質があり、そのために一般的には表面にニッケルメッキを施していますので、外観は銀色の金属光沢をしています。
なお弊社NeoMagでは、高い防錆性能を有する”ニッケル-銅-ニッケルの3層メッキ”を採用しています。
(3)高温度での使用に注意
※温度に対する磁力の変化が比較的大きく、100℃以上の高温使用の場合は、適切な形状や材質の選択が必要です。但し、100℃以上でも材質、形状を適切に選べば問題はありません。